「あの人、すごいな…」「自分は何も成し遂げていない気がする」——SNSを見ていて、そんな気持ちになったことはありませんか?
それはあなたの心が弱いからではありません。実は、人間のごく自然な心理反応なのです。
本記事では、「社会的比較理論」という心理学的な視点から、他人と比べてしまう仕組みと、自己肯定感を取り戻す方法について解説していきます。
他人と比べてしまう「社会的比較理論」とは?
社会的比較理論とは、心理学者レオン・フェスティンガーが提唱した理論で、「人は自分の価値や能力を確認するために、他人と比べてしまう」という考え方です。
これは生存本能に根ざした性質で、周囲の人と比べることで「自分が今、どういう立ち位置にいるのか」を把握しようとします。
比較は自己評価のツールであり、間違いではないのですが、過剰になると自己肯定感の低下につながります。
SNSが「自己肯定感クラッシャー」になる理由
SNSは便利な反面、「比較の罠」を強化します。なぜなら、他人の投稿は“いいとこどり”のハイライトばかりだからです。
- 日常の中でも特にうまくいった瞬間だけが投稿される
- フィルターや加工で、より「理想的」に演出される
- “いいね”の数で可視化された人気が比較の材料になる
本当の他人の姿は、投稿からは見えません。
つまり、私たちは“他人の理想像”と“自分の現実”を比べているのです。
「例えるなら」:SNSは他人の卒業アルバムの表紙だけを見せられている
たとえば、あなたがある学校の卒業アルバムを見るとしましょう。でも見せられるのは「表紙に載っている笑顔の写真」だけ。
でもその人たちも、試験で落ち込んだり、人間関係で悩んだりしています。
それなのに私たちは、1枚の笑顔だけを見て「自分はダメかも」と思い込んでしまうのです。
自己肯定感を保つためにできること
自分の軸を保つために、次のことを試してみましょう。
- 比較の対象を「昨日の自分」に変える
- SNSから一時的に離れてみる
- 自分の強み・できたことを毎日3つ書き出す
- “なりたい自分”ではなく“ありたい自分”を意識する
「自分の価値は、自分の中にある」と気づくことが大切です
SNSとの健全な付き合い方
他人の成功を見ても、自分を否定しないことがポイントです。
むしろ「この人も努力してるんだな」「私もマイペースでいい」と受け取ることで、心がラクになります。
SNSは情報のツールであり、評価の場ではありません
まとめ
- 社会的比較は人間の自然な反応である
- SNSは比較を過剰にさせ、自己肯定感を下げやすい
- 比較するなら「他人」ではなく「昨日の自分」と
おわりに
他人と比べてしまうのは、弱さではなく人間らしさ。
大切なのは、比べる方向と距離感です。
自分を認める力——それが自己肯定感という、もっとも大切な“自信”の土台なのです。